第3回将棋電王戦第2局の感想

やねうら王-佐藤紳哉六段の対局は、やねうら王の勝利で幕を閉じました。
「第3回将棋電王戦」ソフト2連勝、佐藤六段「相手が強いというより私が弱い」 | マイナビニュース


まずは、佐藤六段とやねうら王開発者の磯崎さんに「お疲れ様でした」と言いたいです。
将棋はほぼ素人なので、将棋の内容には触れずに、雰囲気などからみた感想だけ書きます。


まずは佐藤六段について。
記者会見で
「今回はパフォーマンスがありませんでしたが…」という質問に対して、
『色々とあって、そういう気分ではなかったので…』とおっしゃっていたので、
やっぱり、心穏やかではなかったのかな、と感じました。
それでも「自分が弱いから負けてしまった」とおっしゃっていたところに、
棋士としてのプライドと、潔さを感じました。
本当に格好良かったです。


やねうら王の開発者の磯崎さんについて。
ソフト改変の件で色々とありましたが、改変前のソフトでの勝利は見事でした。
また、記者会見で、
「無事に最後まで指せてよかった」
「わが子を見守るような感じ」
「対局中にフリーズする夢を何度もみて、寝ている最中に目がさめた」
と、おっしゃっていたのが印象的でした。


その言葉を聞いて、気持ちがとてもわかりました。
私も、少しだけプログラマーの端くれとして仕事をしていたので。
ましてや、仕事ではなく好きで開発しているソフト。より一層、気持ちもこもっていると思います。
なんとなく、高専ロボコン鳥人間コンテストに参加している学生と、姿がダブって見えました。


「ソフトを改変したい」と主催者に申し出た気持ちも、想像ですが、わかります。
より良いソフトを作りたい、最後までソフトに終局まで指させてあげたい。
騒動に発展してしまったのは残念でしたが、気持ち的には理解できなくはないと思いました。
(それをルールとして認めるかどうかは別ですが。)


いい対局だったのに、騒動のことが、しこりとして残ってしまうのが本当に残念です。
騒動さえなければ、佐藤六段も、磯崎さんも、他の出場ソフト開発者や出場棋士も、
残念ながら出場できなかったソフトの開発者も、関係者の方も、将棋ファンも、
みんな不愉快な思いをすることはなかったのに。


第3局から、そして次回の電王戦からはこんなことがないことを切に願います。
そして、できれば、佐藤紳哉六段に、やねうら王にリベンジを挑んでほしい。
その時には、清々しい思いで対局して、パフォーマンスも見せてほしい。
そう思いました。